難民認定申請
Recognition of Refugee Status
難民とは、どのような方をいうのでしょうか?
難民という言葉は、メディアなどいたるところで用いられています。例えば、自国の政治体制に反発して国外に出た方や経済的理由や貧困により国外に出た方、戦火・内乱・風水害等天災により国外に流出した避難民など、一般的に難民という言葉で連想される方々が必ずしも、入管法上の難民に当たるとは限りません。(難民救済に便乗して難民を装う偽装難民は当然のこと。なお、以下に述べる真実の難民より、偽装難民の方が申請数が多く、専門家は注意が必要です。偽装難民に多い状態として、生活保護費の不正受給や麻薬の密売など犯罪等行為を行なう者が多いようです。)
入管法上の難民とは、難民の地位に関する条約第1条および難民の地位に関する議定書第1条に規程する定義と同じです。それは
「人種、宗教、国籍もしくは特定の社会的集団の構成員であること、または政治的意見を理由に迫害を受けるおそれがあるという十分に理由のある恐怖を有するために、国籍国(無国籍者に会っては常居所国。以下同じ)の外にいる者であって、その国籍国の保護を受けることが出来ない者、またはそのような恐怖を有するためにその国籍国の保護を受けることを望まない者」
というものです。この定義と異なる方は、例え難民という呼称をもってしても、難民認定を受けることは出来ません。このことは、ひとくくりにインドシナ難民、ベトナム難民と呼ばれる方々においても同様です。
難民の方=困窮している、というイメージがありますが、必ずしもその通りではありません。
ただし、以下の条件に当てはまる方は、上記の難民の定義に当てはまらなくなります。
1.平和に対する犯罪、戦争犯罪および人道に対する犯罪に関して規定する国際文書の定めるこれらの犯罪を行なったこと。
2.政治犯罪を除き、避難国の外で重大な犯罪を行なったこと。
3.国際連合の目的及び原則に反する行為を行なったこと。
4.UNHCR以外の国連の保護又は援助を現に受けているもの。
5.避難国など居住国において、権限のある機関より、その国の国籍保有者と同等の権利義務を負うと認められているもの。
6.任意に国籍国の保護を再び受けている場合。
7.国籍を喪失したが、任意のこれを回復した場合。
8.新たな国籍を取得し、かつ、新たな国籍国の保護を受けている場合。
9.迫害を受ける恐れがあるという恐怖から定住していた国を離れていたが、任意に、再定住するに至った場合。
10.難民であると認められる根拠となる事由が消滅したため、国籍国の保護を受けることを拒むことができなくなった場合。(過去における迫害に起因するやむを得ない事情を援用できる場合は除く)
11.国籍を有しない場合において、難民であると認められる根拠となった事由が消滅したため、常居所を有していた国に帰ることができるとき。(過去における迫害に起因するやむを得ない事情を援用できる場合は除く)
以上、難民の定義に当てはまる方であっても、以下の条件に当てはまる場合は、難民認定による在留資格(定住者)の許可は得られません。
1.日本に上陸後(または日本にいる間に、自身が難民となる事由が生じた事実を知った日)から6ヶ月を過ぎて申請を行なうこと。ただし、やむを得ない事情がある場合を除く。
2.難民として迫害される領域から直接日本に入ったものではないとき。
3.不法入国、不法滞在、不法就労を除いた、入管法上の退去強制事由に該当するとき
4.一定の刑法犯
なお、上記の消極要件に当てはまらない場合で、本人がビザをもっていない場合は、法務大臣より定住者の在留資格の取得が原則的に許可されます。また、本人がビザを持っている場合、難民の地位を早期に安定させる趣旨から定住者に変更することが出来ます。
また、上記の消極要件に当てはまってしまった場合でも、事情に応じて在留特別許可が下されることもあります。
そして、難民である、ということを証明するために、どのような準備をすればいいのでしょうか?以下の内容に対応した事実およびそれを裏付ける証拠が必要になります。
1.迫害を受ける理由
2.本人やその家族が、迫害を受ける理由により逮捕、抑留、拘禁その他体の拘束や暴行等を受けたこと
3.国籍国に敵対する組織に属していたかどうか
4.国籍国に敵対する政治的意見を表明したり、行動をとったことがあるか(来日後含む)
5.3や4の理由により逮捕状の発付または手配がされているか
6.国籍国に帰国した場合に生じるであろう事態と、その具体的内容と理由
7.国籍国から脱出し、日本に上陸するまでの経緯
8.日本生活中の生活費用の調達
9.国籍国に帰国できない事情
なお、書面での申請が困難な場合は、陳述による申請も認められています。裏付ける証拠は必要とされるものを最低限添付するだけでは、通常足りません。積極的に提出することが望ましいです。
更に、難民認定申請につき不許可が出た場合は、不許可の通知が本人に到達してから7日以内であれば、法務大臣に対し異議を申し立てることが出来ます。
また、難民認定の申請は、日本に在留するに先立ち申請することは出来ません。あくまで日本に在留している外国人が申請できます。なお、日本に在留している外国人とは、適法に在留している外国人、不法入国者、不法就労者、不法滞在者を問いません。
不法滞在中の外国人については、難民認定手続き中は、それが終了するまでは、「仮滞在の許可」が与えられ、退去強制手続きの中にある場合、仮滞在許可により退去強制手続きが停止されます。
なお、仮滞在許可中は行動の制限などがあり、違反すると取り消されます。
無事、難民の認定が得られた場合、定住者等の在留資格から永住者へのビザ変更申請に際し、独立生計要件を満たす必要がなくなります。また、難民認定後に退去強制手続きにあった場合、異議の申し出をすれば、その異議の申し出に理由が無いと認められる場合でも、在留特別許可が下されることがあります。
依頼した場合の手続きの流れ
無料相談
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正式なご依頼
(ご依頼後、料金全額をお振込いただきます)
※ただし、事情に応じます。
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書類の作成
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作成した書類へのご署名
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入国管理局への申請
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認定証明書取得
↓※不許可時に不許可通知到達から7日以内に
異議申し立て
料金
難民認定申請は、入国管理局での手続きの中で最も難易度の高いものです。万が一結果が不許可であっても、難民認定申請については例外的に返金はできかねますので、ご了承ください。ただし、ご依頼人の事情、状態に応じます。
難民認定申請料金表・Recognition of Refugee Status Fee | |
200,000yen | 異議申立についても同様に別途報酬が発生します。 ただし、ご依頼人の事情、状態に応じて相談の上、報酬額を決定します。 |
※実費相当分として7.000円が別途かかります。
ビザ(VISA)のしゅるい
短期ビザ(Short term stay VISA)
観光ビザと呼ばれるものです。日本に90日以内の滞在で、日本の会社で仕事をしない場合はこのビザを申請します。目的に企業視察や講習、会合も含まれます。通常の海外出張もこれです。
就労ビザ(Working VISA)
就労ビザとは日本で働くことを目的として取得することができるビザの総称です。
学生ビザ(Student VISA)
日本の学校に留学し、勉強するためのビザです。日本でアルバイトをするためには、別に資格外活動許可をとらなければなりません。
文化活動ビザ(Cultural Activities VISA)
日本で日本の文化について研究したり、また学問やアート活動をするためのビザです。ただし、それにもとづく収入があってはいけません。
研修ビザ(Trainee VISA)
日本の機関の中で、研修生として研修をするときに必要となるビザです。
特定活動ビザ(Designated Activities VISA)
外国の父や母と一緒に日本で生活したり、メイドさんを日本に連れてきたり、国際文化交流やインターンシップ、ワーキングホリデーなど、特別な理由で日本に滞在するためのビザです。
家族ビザ(Dependent VISA)
日本に滞在している外国人が、夫や妻、子供の世話をするため、一緒に日本で生活をするときに必要となるビザです。
結婚(Spouse)・子供(Child)ビザ(VISA)
日本人と結婚した外国人やその子供(孫まで)、日本に永住している外国人と結婚した外国人やその子供が日本に在留するために必要となるビザです。
つける仕事に制限はありません。
永住ビザ(Permanent Residence VISA)
日本に長く滞在し、生活のほとんどが日本にある善良な外国人がもらえるビザです。
つける仕事に制限はありません。
定住ビザ(Long term Residence VISA)
法務大臣が外国人について特別な理由から日本に住むことを認めるビザで、人道上、その他特別な理由が必要です。